そろそろ桜のシーズンになってきましたね。
皆さんお花見などするんでしょうね。
でも、桜の季節が近づいてくると、とある都市伝説を思い出してしまいます。
「桜の木の下には死体が埋まっている」
一度は聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
都市伝説でなければ、何かの物語のネタとして読んだり見たりしてことがある方もいるのでは?
でも意外とこの言葉について知らないで聞いていることって多くないですか?
なぜこのようなことを言われるようになったのでしょうか?
というわけで今回は、「桜の木の下には死体が埋まっている」について紹介しますよ!
「桜の木の下には死体が埋まっている」の元ネタって?
都市伝説または物語のネタとして語られる「桜の木の下には死体が埋まっている」。
ですが当然、埋まっていませんが。
「桜の木の下には死体が埋まっている」の元ネタは、
明治時代の小説家・梶井基次郎(かじい もとじろう)の短編小説。
『櫻の樹の下には』からきているものです。
その『櫻の樹の下には』の冒頭の文章がこちら。
桜の樹の下には屍体が埋まっている
冒頭でこの一言はインパクトがあってかなり印象に残りますよね。
この文章が元ネタになって、今も都市伝説やいろんな作品に影響を与えているようです。
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『櫻の樹の下には』はどんな作品なの?
『櫻の樹の下には』は1928年(昭和3年)発行の季刊誌『詩と詩論 第二冊』12月号に掲載。
1931年(昭和6年)5月刊行の梶井基次郎の短編作品集『檸檬』に収録された作品です。
『櫻の樹の下には』を内容を簡単にまとめるとこんな感じ。
人の心をうたずにはおかない、不思議な、生き生きとした美しい満開の桜。
そのあまりにも見事な桜を目の前に、
桜があれほど美しく咲くのには何か理由があると不安を抱く主人公。
そこで桜の花が美しいのは死体が桜の樹の下に埋まっているからだと想像してみる。
『生』の真っ盛りの桜に、『死』を重ね合せてることで、
神秘という不安から主人公は解放され自由になる。
こんな感じの内容です。
非常に短い短編小説なので、暇な時にでもさらっと読めます。
またその『櫻の樹の下には』は、
「桜染め」という染色手法がその話の元ネタなのではという話があります。
「桜染め」は花の咲く前の桜の小枝を集めて、
炊いたり冷ましたりして熟成させて色を取り出し、
桜のピンク色に染める染色手法です。
染となると、花をを使用するかと思いますが桜の枝のピンクの色素を使って染色するんですね。
ピンク色でない枝からピンクの色が出るなんて、
昔の人にはとっても不思議だったのではないでしょうか。
なので当時の人たちは、桜の木の下には死体が埋まっていて、
死体から血を吸うことで桜はピンク色になるのではとささやいていたそうですよ。
確かにあの桜の幻想的な美しさは異様なものがありますよね。
時に畏怖の念を抱くようなこともありますし、何か理由を考えたくなるのもわかるかもしれません。
『櫻の樹の下には』は青空文庫で無料で内容が読めます。
気になった方はこちらからぜひ読んでみてくださいね。