「お客様は神様です」
この言葉。誰もが一度は聞いたことあるのではないでしょうか?
社員教育のひとつとして教わった方もいれば、
クレーマーにこの一言を言われた方もいるでしょう。
今ではこの言葉はそのままの意味で「お客様=神様」という意味になっています。
しかし、本来の意味はそうではなかったんです!!
どうやらずっと勘違いして使われていたようです。
なので今回は、「お客様は神様です」は誰が言い始めて、本当の意味は何なのか紹介します!
誰が言い始めたの?本来の意味は?
「お客様は神様です」という言葉は、
浪曲師で演歌歌手の三波 春夫(みなみ はるお)さんが最初に言った言葉です。
自身のステージで三波春夫さんと司会をの宮尾たか志さんとの掛け合いの中で生まれました。
そして、三波春夫さんは「お客様は神様です」について、
とある番組ではこのように言っていたそうです。
舞台の上では、神様の前で拍手を打ちような心境にあるわけで、
私をそうしてくれるのが、お客様。
お客様に自分が引き出され舞台に生かされる。
お客様の力に、自然に神の姿を見るのです。僕が「お客様は神様でございます」と言っているのはね、
実はもう遥か千年も昔からその精神で芸っていうのはやってきたんですよ。
お客様は神様のつもりでやらなければ芸ではなかったんですね。
これまたなんだか難しそう。
ですが、芸能の歴史をたどると言いたいことが見えてきました。
日本の芸能は古代より米作りの文化と密接な関係にありました。
日が出ないと作物は育たないですし、
大雨や台風等の自然災害があれば作物は枯れ、飲み水にさえ困る状況です。
次第に人々はこうした豊作、飢饉も自然災害で、天には神がいると考えるようになり、
神様に祈る神事や儀式など行うようになりました。
その神事や儀式などから派生したのが、「芸能」。
なので、先ほどの言葉をわかりやすく筆者なりに解釈したのがこちら。
芸能は神様への奉納であり交流。
だから、舞台上に立つときは、神前のような澄み切った心になる。
なので自然と芸を奉納する神様の化身としてお客様が見える。
神様の化身としてお客様がいることで、
いつも以上に自分を引き出されるから舞台にもそれが生かされる。
古代の時代からずっと神様に奉納するような澄み切った心で芸は行われてきた。
だから、お客様は神様のつもりでやらなければ本当の芸ではないんだ。
いかがでしょうか?少しはわかりやすくなったでしょうか?
個人的な解釈なので間違っているかもしれませんが大体こんな感じかと思います。
また、このようにもおっしゃっていたそうです。
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、
雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。
ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。
また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』引用元:三波春夫オフィシャルサイトより
三波春夫さんは「客席にいる聴衆とステージに立つ演者」この関係だけ、
「お客様は神様」という使っていたんですね。
なので、「お客様は神様です」のお客様は商店や飲食店など客でも取引先でもありません。
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流行らせたのはレツゴー三匹
流行らせたのは三波春夫さではなく、漫才トリオ「レツゴー三匹」。
レツゴー三匹のネタとして、世間で広がることになりました。
そして、その世間では様々な場面使われるようになったわけです。
「お客様は神様です」だけを見てその言葉の意味だけが見事に広がってしまった感じですかね。
お客様=神様
お客様=消費者、クライアント等
多くの方は演者ではありませんから当然このような考えが浮かぶでしょう。
だから、消費者であるお客様は神様なんだとなったしまったんだと思います。
ただ、よく考えれば「神様からお賽銭を頂くことがない」と気づけば、
少し疑問に思うのではないでしょうか。